華郷流暗記五カ条
最終更新日:2016/6/18
執筆者:華郷(@ka_kyo)
1.はじめに
競技かるたにおいて暗記とは最もベースとなる技能の一つである。
しかし、その実態は表現することが難しく「教える」「共有する」ことが難しい部分の一つでもある。
それ故に人それぞれで異なっており十人十色と言って差し支えないであろう。
一方で初心者の内は暗記することに慣れておらずどう暗記して良いかもわからない人も少なくない。
そこで暗記に悩む人々の一助になればと思い、私が行ってきた暗記の概念をまとめてみようと言うのが「華郷流暗記五カ条」である。
あくまで概念とし、具体的な暗記法についてはまた別稿で記したいと思う。
2.暗記五カ条
暗記五カ条を記す。詳細について個別に述べる。
- 札の場所ではなく取り方を覚えるべし
- 頭だけではなく体でも覚えるべし
- 暗記はコンパクトに、無駄なものは覚えるな
- 暗記は札を並べるときから始めるべし
- 絶対に手を抜くな、邪念は捨てろ
・札の場所ではなく取り方を覚えるべし
「何枚目が何の札」と札の場所を覚える人がいるがこれは大きな間違いだ。競技かるたにおける暗記は“暗記をするため”のものではない。“札を取るため”に暗記するのだ。札を取ってなんぼなので、取るために有効な暗記を心がけよう。
では、取るために有効な暗記とは何だろうか。音と動きをリンクさせた暗記だと僕は思う。読まれて動いて札に触る、その過程そのものを暗記することが重要だと考える。
・頭だけではなく体でも覚えるべし
取り方を覚える為には体を動きを覚える必要がある。そのためには体を動かす必要がある。一方で対戦者の妨げとなる動きは競技規程細則十一条第二項で禁止されている。動かず体を動かしイメージを鮮明にする暗記が必要になる。
・暗記はコンパクトに、無駄なものは覚えるな
試合中に覚えなければならないものは最初の50枚だけではない。試合が始まれば札が動く。決まり字も変わる。覚えるものは多い。それを一瞬で引き出して札を取らなければならない。そのためには頭の中の暗記が散らかっていたら動くまでに時間がかかってしまう。なるべく整理して無駄をそぎ落とし、必要な情報量を限られたキャパシティで整理して覚えることが重要になる。
・暗記は札を並べるときから始めるべし
暗記時間は15分と決まっている。しかし、15分ではない。暗記時間開始前、札を開けた瞬間から暗記は可能である。自陣は並べながら覚えられる。喋りながら並べるなんて以ての外。暗記時間を自ら放棄するような行為である。
・絶対に手を抜くな、邪念は捨てろ
覚えた、と言うのは幻想であることが多い。完璧な試合というものはほとんど達成することは不可能な領域である。暗記の手を抜くと言うことは不完全なものをさらに不完全にする行為であり、速く取る気がないと見なせる。強くなりたければ常に全力であるべきである。邪念なんてものはもっての他であり、札を取ることだけに集中すべきである。
終わりに
この五カ条はあくまで華郷流であり、皆様流の暗記五か条を見つけていってほしいと思います。
最後に、この五カ条の初出はTwitterで2016/6/16につぶやいたもの(こちら)です。初稿日で37リツイート123いいねの反響を受け本稿を執筆するに至った。反響をいただいた皆様に感謝いたします。
初稿:2016/06/18