出札が悪いのは本当に運が悪いだけなのか?

最終更新日:2018/03/02
執筆者:華郷(@ka_kyo)

1.はじめに
 負けたときに出札が悪かったと思ったことがある人は少なからずいるのではないでしょうか。出札が悪かった=運が悪かったなのでしょうか?運が悪かったから負けたのも仕方ないのでしょうか?ここでは出札が良い悪いについて考えてみたいと思います。

2.出札が良い、出札が悪いとは?
そもそも「出札が良い」、「出札が悪い」とはそもそもどういう事なのでしょうか。いくつかの定義が考えられます。
1つ目は出札が良い「狙っている札が出た」出札が悪い「狙っていない札が出た」です。
2つ目は出札が良い「取れる札が出た」、出札が悪い「取れない札が出た」です。

3.狙いと出札
 1つ目の定義について考えてみましょう。
 狙っている札は速く取れますから取れる確率は上がります。狙ってない札は遅くなりやすいですから取れる確率は下がります。また、狙っている札が出ると言うことは自分の描いた勝ち筋の通り出る、狙っていない札が出ると言うことは負け筋の札が出ると言うことになります。出札をよくするためには「勝ち筋を増やして負け筋を減らす」必要があります。
 例えば、相手陣の1字を狙って、それが出れば勝てる場合、相手陣の1字だけが出続ければ勝てます。しかし、それ以外が出続ければ負けます。これは勝ち筋が少なく、負け筋が多いと言うことになります。これで出札が良かったら奇跡です。  
つまり、「より多くの札を狙って速く取ることが出来れば多くの勝ち筋が出来、安定して勝てる」ということです。

4.取れるかどうかと出札
 2つ目の定義について考えてみましょう。狙っていても取れないことや狙っていなくても取れることがあります。取れれは勝てる訳ですから、出札が良い、相手も狙っていて取れなければ勝てないわけですから出札が悪いということになります。この出札が良い悪いはなぜ起こるのでしょうか。
 例えば、すべての札を均等に狙った場合はどうでしょうか。すべての札が勝ち筋になりますから、1つ目の定義で言うと絶対に出札が良いので、何が出ても勝ちます。しかし、実際にはそうではありません。なぜなら、一般には多くの狙いを並列すると難易度が上がり遂行能力が低下してしまうからです。つまり、勝ち筋を通す力が落ちてしまいます。その結果、狙っている札は出ているのに勝てない現象に陥ります。
 このことから分かるように出札を良くするためには「相手より強い勝ち筋をより多く作ること」が必要なわけです。

5.出札良いことと実力差
 多くの勝ち筋を持っていて、それが相手より高い遂行能力を持っていれば、出札がよい状況はかなり高いの確率で訪れます。一方で、少ない勝ち筋しかない、もしくは勝ち筋を絞らなければ相手より高い遂行能力を得られないのであれば、出札が良い確率は下がってしまいます。
 つまり、相手より高い遂行能力を持つ勝ち筋を多く作れ、出札が良いパターンをより多く作れることが強いと言えるのではないではないでしょうか。

6.最後に
 負け筋を完全になくすことは難しいです。しかし、負け筋を減らすことは出来ます。出札が悪いことはありますが、出札が悪かったことが負け筋が多いことに起因していないでしょうか?出札は悪くないのに勝てないのは、その勝ち筋は強い勝ち筋となっていますか?試合の勝ち負けを出札が悪いとあきらめるのではなく、出札が良い状況を多く作れるようにしていきましょう。

初稿:2018/03/02