昇段基準および出場級制度の変更の紹介

最終更新日:2019/10/26
執筆者:華郷(@ka_kyo)

1. はじめに
 2020年4月より昇段基準と出場級制度が変更されることになりました。2年間の移行期間ののち2022年4月以降は新制度へ完全移行されることになります。2019年5月に(一社)全日本かるた協会(以下、全日協)から「公認大会におけるE級の設置および昇段基準等改正について」という通達が各会に出されたことによるものです。かるた展望69号でも「昇段基準出場級制度の変更について」の記事が掲載されています。これらの通達や記事を見ていない方は目を通されることを強くお勧めします。参考資料に置いておりますので他の掲載資料と合わせてご確認ください。
 このページではこの制度変更について紹介します。大まかには表1,2の通り変更されます。詳しくは各章をご覧ください。また、このページの内容に誤りがありましたらご指摘下さい。

表1 出場級変更

出場級旧制度
2019年度まで
新制度(移行期間)
2020,2021年度
新制度
2022年度以降
A級4段以上4段以上4段以上
B級2段・3段新たに3段になった人
旧制度でB級に出ていた人
3段
C級初段新たに2段になった人
旧制度でC級に出ていた人
2段
D級無段新たに初段になった人
旧制度でD級に出ていた人
初段
E級無段無段無段

表2 昇段基準の変更

段位旧制度
2019年度まで
新制度(移行期間)
2020,2021年度
新制度
2022年度以降
4段以上省略従来通り従来通り
3段B級3位以上C級3位以上
B級4位以上
C級3位以上
2段C級3位以上D級3位以上
C級4位
D級3位以上
初段D級3位以上E級3位以上
D級4位
E級3位以上

申請日を基準に過去2年度までの成績を適用できます。
昇段基準は申請日の基準が採用されます。

2. 変更点
 2020年度以降は以下の通り変更となります。ただし移行期間(2020年度、2021年度)の経過措置は3章を参照ください。

出場級の変更
 A級:4段以上 B級:3段 C級:2段 D級:初段 E級:無段
昇段基準の変更:各段位への昇段基準
 初段:E級3位以上 2段:D級3位以上 3段:C級3位以上
 4段(変更なし):B級優勝1回もしくは準優勝2回
 (いずれも「各会代表者が実力相応と認めるもの」の項目は従来通りあります。)
昇段申請期限
 申請日を基準に過去2年度(前々年度)までの成績を適用できます。昇段基準は申請日の基準が採用されます。
公認大会におけるE級の設置
 2020年度以降、公認大会ではE級設置が必須となります。

3. 移行措置
 2020年度、2021年度の2年間は移行措置として現在の出場級に出場できます。ただし、移行措置期間中に変更後の段位を取得できなかった場合は降級となります。

移行期間
 2020年度~2021年度(2020年4月~2022年3月)
出場級
 B・C級:2019年末(2020年3月末)の各級登録選手はそのままの出場級で出場できます。
 D級:1度でもD級で出場したことがある選手は無段のままD級に出場できます。
特別昇段基準:各段位への昇段基準
 初段:D級4位 2段:C級4位 3段:B級4位
移行期間終了後
 昇段できなかった場合は新制度の出場級に降級します。(入賞しても申請が行われなければ昇段できず降級します。)

4. 昇段基準の適用日
昇段申請には申請日を基準に過去2年度(一昨年度)までの成績を適用できます。昇段基準は申請日の基準が採用されます。

・2020年度(2020年4月~2021年3月)に申請の場合
 →2018年4月~2021年3月の成績で申請が可能です。
・2021年度(2021年4月~2022年3月)に申請の場合
 →2019年4月~2022年3月の成績で申請が可能です。
2020年度と2021年度は移行措置期間ですので、新基準及び特別昇段基準での昇段審査となります。

・2022年度(2022年4月~2023年3月)に申請の場合
 →2020年4月~2023年3月の成績で申請が可能です。
2022年度は完全移行後ですので、新基準での昇段審査となり、特別昇段基準は適用されません。

5. 会員登録
2020年度以降は以下の通りとなります。

・全日協への会員登録はC級登録時に必須となります。D級初段は会員登録は必要ありません
・初段申請時は登録会からの申請は必須ではありません。学校や地域の団体からの申請が可能です。
・2段以上の昇段申請時は従来通り登録会からの申請が必要となります。

6.具体例
例1:2019年度末時点でB級3段
 引き続きB級で出場可能です。B級優勝もしくは準優勝2回で4段を同時の申請しA級4段となります。昇段出来なくてもB級3段で出場可能です。
例2:2019年度末時点でB級2段
 引き続きB級で出場可能です。2020年度、2021年度はB級4位以上入賞によりB級3段に申請可能です。B級優勝もしくは準優勝2回で3段と4段を同時の申請しA級4段となります。昇段出来なければ2022年4月にC級2段に降級となります。
例3:2019年度末時点でC級初段
 引き続きC級で出場可能です。2020年度、2021年度はC級4位入賞によりC級2段に申請可能です。C級3位以上に入賞すれば2段と3段を同時の申請しB級3段となります。昇段出来なければ2022年4月にD級初段に降級となります。
例4:2019年度末時点でD級無段
 D級での大会出場歴があれば引き続きD級で出場可能です。2020年度、2021年度はD級4位入賞によりD級初段に申請可能です。D級3位以上に入賞すれば初段と2段を同時の申請しC級2段となります。段位を取得出来なければ2022年4月にE級に降級となります。
例5:2019年度末時点でE級もしくは大会出場歴無し
 E級での出場となります。

7. まとめ
 今回の制度変更は競技者に大きな影響があります。不明な点は所属会や全日協に問い合わせを行うなど制度変更への情報収集をしましょう。
 また、このページの内容に誤りがありましたらご指摘下さい。

参考資料
・(一社)全日本かるた協会「公認大会におけるE級の設置および昇段基準等改正について」2019年5月 PDF(各かるた会に通知されたものをPDF化して置いておきます。)

・かるた展望第69号「昇段基準出場級制度の変更について」(一社)全日本かるた協会、2019/7/2発行

・問い合わせ回答(2019/5)(一部抜粋)
①入賞日と申請日のどちらの昇段基準が採用されるのでしょうか?
 申請日の昇段基準が採用されます。

・全日本かるた協会からのよくある質問の各かるた会への共有内容(2019/5)(原文ママ)
昇段基準等改正について全日本かるた協会多くの質問が寄せられています。
このうち、多い質問を共有させていただきますのでご確認ください。

Q1 申請事由の大会成績について
→2020年度(2020年4月1日から2021年3月31日)から適用される新基準では、以下の大会成績をもって段位申請できます。
・2020年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)は、2018年4月以降の大会成績(2018年度以降=2018年4月1日以降)
・2021年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)は、2019年4月以降の大会成績(2019年度以降=2019年4月1日以降)
・2022年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)は、2020年4月以降の大会成績(2020年度以降=2020年4月1日以降)
初段についていえば、「2020年以降に【新】E級で」という条件はつきません。

Q2 移行の発効は2020年4月1日からですか?
→はい。
2020年4月1日から新基準が適用されますので、そこから2年間(2022年3月31日まで)を移行期間としています。

Q3 移行期間中にD級3位入賞すると、初段を超えて2段になりますか?
→はい。
D級無段の人が初入賞でD級3位となった場合、同じ昇段事由(D級3位入賞)で、D級初段とC級二段の同時申請をしていただきます。
これは、現行で、B級二段の人が優勝してB級三段とA級四段を同時申請するのと同様です。

Q4 新基準でC級2段になる場合の昇段手数料は必要となるのでしょうか?
→C級初段の人がC級二段を申請する場合、二段の段位料が必要になります。
(B級二段の人がC級二段に降級する場合は、級位の変更なので段位料は不要です)

Q5 移行期間に昇段申請が膨大な数になりそうですが、大丈夫ですか?
→今後のことを踏まえ、審査部の体制を強化いたしました。
 副部長を2名増員し、副部長4名体制となります。

Q6 なぜ、D級初段は、会員登録を必須としないのですか?
→現在、D級とE級は、全日本かるた協会未加盟の団体所属あるいは個人でも出場できます。
D級の会員登録を必須とすると、年会費が発生するのと(初年度は免除)、所属団体(たとえば小中学校や地域のサークルなど)が全日本かるた協会に加盟する必要が出てきます。
D級は小学生以下の人の比率も高く、かるた普及の観点から、前述の負担をおさえる形となっています。

Q7 現在C級三段の人は、B級三段に自動昇級するのでしょうか?
→公認読手推薦に伴う段位取得(昇段のみ昇級なし)は従来通りです。
また、現在も降級制度があるので、これらの場合は段位と級位の不一致は起こります。
新基準になっても、既に取得している段位に応じた級位への自動昇級はありません。

仮原稿:2019/08/11
初稿:2019/10/26