ちはやふると競技人口増加の関係についての考察6

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最終更新日:2016/12/25
執筆者:華郷(@ka_kyo)

6.全国大会参加人数の推移
 毎年1月上旬に行われている、「新春全国競技かるた大会(以下、新春大会)」(東京都)、「高松宮記念杯近江神宮全国競技かるた大会(以下、宮杯)」(滋賀県)、「全国競技かるた太宰府大会(以下、太宰府大会)」(福岡県)の3つの大会の参加者数の推移をまとめた。大会の選定基準は「しばらくの間開催時期、開催場所に大きな変更がないこと」、「同一の地域を選定しないこと」、「選定するすべての大会を同時期の大会とすること」とした。参加者数は(一社)全日本かるた協会のウェブページ[2]から得た。

6.1.総参加人数の推移
 2006-2015年度の各級合計参加者数の推移を図5に示す。(年度で示しているため、2015年1月の大会は2014年度開催としている。)新春大会、宮杯ついてはA~E級、太宰府大会についてはA~D級の合計とした。連載開始前は新春、宮杯ともに300人程度であったが、単行本発売翌年度(2009年度)から新春大会は参加者の増大していることが示されている。宮杯は年々微増しているものの本格的な増大は2011年のアニメ化以降である。太宰府大会については2010、2011年度に増加している。このことから「ちはやふる効果」は関東で最も早く影響が表れ、その効果も大きいことがわかる。また、太宰府大会においても2015年度は2007年度比で2倍を超えるなどその影響は小さくなく、「ちはやふる効果」は全国に及ぶことが確認されている。


図5 各級合計参加者数の推移(新春大会、宮杯、太宰府大会)

6.2.参加級別人数の推移
 図6に新春大会の各級別の人数推移を示す。連載開始時は各級の参加人数に大きな違いがない。単行本発売以降、各級ともに増加しているが、特にD級の増加率が大きい。A級は増加しているが、大きな変動はない。しかし、B級参加人数が単調増加し、新春大会では2012年度以降B級分割が行われているため、A級が128人に達するのも遠くない未来であるように思われる。(2016年12月現在で過去A級の大会で128人を突破した例はない(はず)。)


図6 新春大会の各級別参加者推移

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参考・引用文献一覧
初稿:2016/12/25